イベント演出やプロモーション映像の世界で、近年注目を集めている「3Dホログラム」。「空中に映像が浮かんでいるように見える」「何もない空間から人が現れたように見える」など、その未来的な演出は見る者を惹きつけ、話題性・PR効果ともに抜群です。
しかしながら、この「3Dホログラム」という言葉、実は少々あいまいに使われがちで、技術的には大きく2つに分けられます。
正式な意味でのホログラム(ホログラフィ)とは、光の干渉と回折の原理を利用して、3次元の立体像を記録・再生する技術のことです。特殊なレーザーを用いて物体の情報を記録し、別の光で再生することで、どの角度から見ても本物の立体が存在しているように見えるという高度な仕組みです。
たとえば、科学館や技術展示で見かける「ガラスの中に浮かんでいる立体像」などが該当します。
そのため、一般的なイベントや広告の現場では、より手軽に「立体的に見える」ことを目的とした擬似3Dホログラム(Pseudo-Holography)が広く使われています。
擬似3Dホログラムとは、光の錯視、反射、透過などを使って、立体的に見える演出を実現する技術です。見た目には「空中に映像が浮かんでいる」「本物の人物が立っているように見える」といったインパクトがありますが、厳密にはホログラフィ技術ではありません。
設置の簡便さ・コスト面・映像コンテンツの自由度から、商業施設、展示会、企業イベント、ステージ演出などで非常に多く利用されています。
以下に、よく使われる4つの擬似3D方式とその特徴を詳しく解説します。
19世紀に発明された舞台演出の手法で、今でも活用されている基本的な方式。斜めに配置した透明フィルムやガラス板に、暗所から投影された映像を反射させ、まるで本物がそこに存在しているかのように見せます。
メリット |
デメリット |
非常にリアルな立体感 |
設置に奥行きと暗所が必要 |
人物演出との相性が良い |
観覧角度が限られる |
出典元:https://phantom-3d.net/
仕組み
高速回転するLEDの羽に映像を表示し、残像効果で空中に映像が浮かんで見えるタイプ。近年ショッピングモールや駅などで急増中。
メリット |
デメリット |
コンパクトで設置しやすい |
回転音がやや気になる |
小型ながらインパクトあり |
LED色再現性に限界あり |
複数台並べることでより大きな映像を投影できる |
回転物なので手を触れられないような措置が必要 |
【徹底比較】3D Phantomとミストスクリーン 〜空間演出の主役はどっち?〜
超音波ミストで生成した薄い霧の膜をスクリーン代わりにし、そこにプロジェクターで映像を投影。霧の中に映像が浮かぶような幻想的な効果が得られます。
メリット |
デメリット |
映像が空中に浮かぶように見える |
空調や風に影響されやすい |
「体験型」演出が可能 |
湿度管理が必要 |
複数台設置でより大きな映像投影が可能 |
ミストの吹き出し部から離れると映像が乱れる |
プロジェクターを複数台設置することで裸眼3D表示が可能 |
投影角が35度を超えると見えにくくなる |
【徹底比較】3D Phantomとミストスクリーン 〜空間演出の主役はどっち?〜
特殊なレンズや視差バリアを利用し、裸眼でも立体的に見えるディスプレイ。3Dテレビの進化形とも言える技術です。
メリット |
デメリット |
導入が容易で日常運用が可能 |
見る角度が限られる |
常設展示に適している |
高精度な映像設計が求められる |
擬似3Dホログラムの成功は、映像コンテンツの作り方に大きく左右されます。以下のポイントを押さえることで、立体感や没入感が格段にアップします。
「3Dホログラム」と呼ばれる演出の多くは、光の錯視を利用した擬似的な3D映像表現です。それでも、映像制作の工夫と演出設計次第で、「本物以上にリアル」「話題性抜群」な体験を生み出すことが可能です。
ぜひ、展示会・イベント・プロモーションの現場で、この擬似3Dホログラムを活用し、見る人の記憶に残る演出を実現してみてください。
また、それぞれの方式には一長一短がありますので、目的に応じて最適な方式を選定しましょう。
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