演出業界で長らく定番だった「スモークマシン」。空間を白く包み込み、レーザーや照明の光線を浮かび上がらせるその効果は、コンサート・展示会・演劇・テーマパークなど、あらゆる場面で重宝されてきました。
しかし、近年になってこうしたスモークマシンの使用に制限がかかるケースが増えています。
このような現場の声に応える新しい選択肢として、注目されているのが「超音波ミスト演出」です。
本記事では、超音波ミストの基礎知識から、スモークマシンとの違い、実際の使用例、導入のメリットと注意点まで、徹底的に解説します。
「演出をあきらめたくない」あなたに向けた保存版ガイドです。
スモークマシンの基本的な原理は、グリコール系またはオイル系の液体を加熱・気化し、人工的な煙を発生させる装置です。
スモークマシンから煙が生成されるプロセスは、物理学における「凝縮」の原理に基づいています。
スモークマシンの安全性については、いくつかの注意点を守れば基本的に安全に使用できます。
まず、煙の主成分であるスモーク液は、プロピレングリコール、グリセリン、精製水といった、食品添加物や医薬品、化粧品などにも広く使われている非常に安全性の高い成分が用いられています。
そのため、一般的な使用において人体に有害な影響を及ぼすことは極めて少ないとされています。
多くのメーカーは、成分が人体に無害であることを公的機関の試験で証明しています。
ただし、以下の点には注意が必要です。
一般的なスモークマシン(フォグマシン)は、プロピレングリコールやグリセリンなどを主成分とする専用液を加熱して気化させ、冷却することで微細な液滴(エアロゾル)を生成します。
この液滴の集合体が「煙」として見えるわけですが、この液滴の中には当然、液体の約半分を占める「精製水」の成分も含まれており、実質的に水蒸気の一部が冷却されて見えるものとも言えます。(水100%の水蒸気というわけではありません)
超音波ミストは、水に高周波振動を与えることで微細な霧を生成する技術です。霧というと加湿器をイメージする方もいるかもしれませんが、演出用のミストは特別な制御装置や照明・映像機器と組み合わせて空間演出に最適化されたシステムです。
比較項目 |
スモークマシン |
超音波ミスト演出 |
使用物質 |
グリコール液 / オイル |
水のみ |
発生方法 |
加熱して煙を生成 |
超音波振動で霧を生成 |
匂い |
あり(独特) |
無臭 |
残留物 |
機材・床に残る |
残らない |
火災報知器への影響 |
反応しやすい |
ほぼ反応しない |
清掃・メンテナンス |
必要 |
ほぼ不要 |
空間演出の広がり |
全体に拡散可能 |
スポット的に演出 |
屋外での使用 |
ある程度対応 |
風に極端に弱い |
消防法 |
申請が必要 |
申請が不要 |
ミストにプロジェクター映像を投影し、空中に浮かぶロゴや映像を実現。来場者の視線を引きつけ、名刺交換率・立ち寄り率を大幅にアップさせる事例多数。
商業施設 擬似スモーク演出
ミストの上に光を照射し、幻想的な「雲の中にいるような体験」を演出。若年層やファミリー層を中心にSNS拡散効果も抜群。
新郎新婦の登場シーンでミストにライトを当て、神秘的なシルエットで注目を集める。スモークが使えないホテル会場でもOK。
火気厳禁のエリアでも、自然で尊厳を損なわない雲海演出が可能。日本的な世界観との親和性も高い。国宝級の重要文化財がある場所での実績多数あり。
デメリット① 風に弱い
→ 屋内使用、風除け設計、または設置場所の工夫でカバー
→ 面で見せるのではなく、“点”や“線”で魅せる演出設計が必要
→ 維持費用が少なく、長期的には経済的。レンタル対応機器もあり
使用場所・施設の特性を把握 → 天井高、空調の流れ、床素材などを確認
目的に合った演出スタイルを設計 → 映像投影型、照明型、装飾型など
現地でのデモ・シミュレーションを実施 → 実際の空間で効果を確認可能
納入・設置・演出運用をトータルサポート → 専任チームが対応します
スモークマシンを完全に否定するものではありません。むしろ、「場所によって使い分ける」「目的によって選ぶ」という考え方が現代の空間演出には求められています。
この両者を使い分けられる演出家・プロデューサーこそが、今後評価される存在になるでしょう。
「スモークが使えないから、演出をあきらめるしかない」そう思っていた現場にこそ、超音波ミストは驚きと感動をもたらします。
私たちは、超音波ミスト技術を活用し、スモークマシンに替わる、安全・清潔・印象的な演出空間を実現する機器の製造・提供を行っています。イベント・展示会・商業施設での導入実績も多数。
現場ごとの設計や演出の提案も可能です。