Solution :  08
家畜の感染を予防し、畜産経営を支える

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国内で高まっている家畜の感染リスクは、多くの畜産農家を悩ませています。
家畜が死亡したり、死廃用(病気や傷害によって、家畜として使用する価値がなくなった状態)となってしまう大きな原因のひとつに、肺炎をはじめとする呼吸器疾患が挙げられます。呼吸器疾患によって壊れた肺胞は元には戻らず、家畜の成長を妨げるほか、知らず知らずのうちに肺炎に感染していたという事例も少なくありません。

星光技研は、感染予防となる飼養環境の改善を実現するべく専門家と協力し、除菌消臭効果が高く、かつ家畜にとって安全な次亜塩素酸水溶液の空間噴霧器を開発しています。肺炎の感染予防に効果をあげている事例をご紹介いたします。

畜産農家が抱えている課題

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  • 感染によって家畜を損失、あるいは価値が下がり、収益が低下する
  • 肺炎、鳥インフルエンザ、口蹄疫、豚の流行性下痢(PED)など、多くの感染リスクに対応する必要がある
  • 畜舎の衛生を継続的に保ち、家畜にとってストレスの少ない飼養環境をつくる必要がある

呼吸器疾患での年間死亡頭数

 乳牛(雌) 7,479 頭 
 肉用牛 10,406  

※平成30年度 農業災害補償制度家畜共済統計表 より

呼吸器疾患による乳牛・食用牛の死亡数はこれほどの数字となり、その損失は年間100億円以上といわれています。
さらに、『隠れ肺炎』の脅威もあります。これは症状を伴わないものの、実は肺を患っているというケースであり、健康牛よりも呼吸回数が多くなり基礎代謝が上がるため、体が大きくならず、高値で売れなくなってしまうというものです。

その課題、
当社 ならば 解決可能 です

星光技研は、家畜の感染症対策の権威である鹿児島大学の帆保教授と共同開発を行い、畜産現場における最適なミスト噴霧について研究を重ねてきました。当社ならば、確かな実績とノウハウに裏打ちされたご提案が可能です。

ソリューション手段

感染リスクを低下させるポイントは『空間除菌』と『環境改善』です。
たしかにワクチン接種も予防のひとつですが、「ワクチン接種をしていない細菌には効果がない」「たとえ接種していても菌数が多い場合は効果がない」という弱点があります。ほかに薬剤噴霧という手段もありますが、人間の健康被害を引き起こしたり、噴霧器から出る騒音が家畜のストレスにつながるといった問題があります。
Fig_01

家畜の免疫力が感染源の数を上回っていれば、感染することはありません。

Fig_02

たとえ免疫力をキープできたとしても、感染源の数が増えれば感染してしまいます。

Fig_03

同様に、感染源の増加を抑えられたとしても、免疫力が落ちればやはり感染してしまいます。

より効果的な感染予防につなげるには、空間を除菌し感染源自体を減らすことに加えて、畜舎の衛生環境を改善し家畜の免疫力をアップさせることが肝要です。
当社が提案するソリューションは、次亜塩素酸水を空間噴霧することで、『空間除菌』と空間消臭による『衛生環境の改善』の双方を実現します。アンモニア濃度が軽減されることで家畜の体内の繊毛運動が活発になり免疫力を高めることができるだけでなく、スタッフの作業環境の改善にもつながります。

繊毛運動=気道に生えた微細な細胞である『繊毛(せんもう)』が、吸い込んだウイルスや細菌などの異物をキャッチし、体外へ運搬・排除する運動。生物の防衛機能の中心的役割を担っている。

除菌消臭剤(次亜塩素酸水溶液)の効果

他の除菌液との違い

次亜塩素酸水溶液は、その高い除菌効果だけでなく、動物はもちろん、人体、食品への安全性も確保され、医療現場や福祉施設、食品加工工場、一般のご家庭など様々な場所で使用されている、安全な除菌液です

 

次亜塩素酸水溶液

次亜塩素酸ナトリウム

アルコール

除菌効果

低濃度でも効果を発揮。
多くの細菌に対し、抗菌効果がある。

次亜塩素酸に比べ除菌効果が低く、効率も悪い。

ノロウィルスや炭疽菌などには弱く、濡れていると効果が低下する。

空間噴霧

低濃度の噴霧でも高い空間除菌力を発揮する。

×

吸引で粘膜を刺激し、残留性もあるため空間噴霧はNG。

×

酩酊やアレルギーを起こすため空間噴霧はNG。

安全性

残留性がなく、低濃度で使用するため安全。

粘膜や皮膚に付着しないよう、取り扱いに注意が必要。

毒性は低いが揮発性が高いため、ある程度の注意が必要。

コスト

 

 

 

金属腐食

(家具などへの影響)

噴霧での影響はない。

×

腐食を起こす。
たとえ低濃度でもアルミや亜鉛は腐食させてしまう。

影響はない。

空気中細菌数の変化

帆保教授が学内の動物飼養施設で実施した予備試験では、次亜塩素酸水溶液を噴霧したわずか30分後には、空気中の細菌数が約1/10に減少。60分後には1/100にまで減少し、その後は限りなくゼロに近づくことが証明されました。

噴霧前

噴霧前

104CFU/10L

開始後30分

開始30分後

103CFU/10L

開始後1時間

開始60分後

102CFU/10L

呼吸器疾患に関する聞き取り調査

帆保教授による聞き取り調査の結果、次亜塩素水の噴霧前後では肺炎をはじめとする呼吸器疾患の発症率、治療期間、再発率が改善されていることが確認されました。なお、この調査結果は4ヶ月間のものですが、その後の継続的な次亜塩素酸水溶液の噴霧により、呼吸器疾患の発症はほとんどゼロになったことも確認されています。

% 100 80 60 40 20 0 発症率 再発率
  • 噴霧開始 前
  • 噴霧開始 後

発症率:80.6% → 31.3%に減少
治療期間:概ね2〜3週間 → 1週間程度に短縮
再発率:84.0% → 20.0%に改善

次亜塩素酸水溶液を噴霧することによって

  • 感染源となるウィルスや細菌を減らし、感染リスクそのものを低下する
  • 畜舎の衛生を保ち家畜のストレスを緩和することで、免疫力を向上させる
  • ダブルの効果で感染を未然に防ぎ、生産性が向上する

※次亜塩素酸水の噴霧だけで万全な感染対策ができるものではありません。畜舎の清掃や用具の洗浄などと併せていただくことで、大きな効果を発揮します。

さらなるソリューション

kudamono

次亜塩素酸水溶液の噴霧は生物に無害でありながら、細菌、ウィルスに対してはば広い除菌効果を発揮します。したがって動物だけでなく、野菜や果物など植物が感染する病気をも予防し、農業の育成環境を改善することができます。

 

豊富なオプションパーツによるカスタマイズも可能

AG-500S-img畜舎・ビニールハウス内での噴霧に最適な専用モデル<AG-500S>には、さまざまなオプションパーツが存在します。噴霧する環境や目的に応じて、最適なカスタマイズを施すことができます。詳しくは製品案内ページよりご確認ください。

 

<超音波噴霧器 AG-500S>の製品案内ページへ移動する ▶

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共同研究・資料提供
鹿児島大学 共同獣医学部 臨床獣医学講座 産業動物内科学分野
教授 帆保 誠二 (鹿児島大学共同獣医学部 教員紹介公式サイト)